大阪近郊、天王寺から普通列車で30分弱、大阪府と奈良県の境界に 約5キロほど、大和川の峡谷があります。 生駒山地の南側と金剛山地の北側に挟まれた峡谷で、 峡谷自体はそれほど険しいというわけでもなく、標高が高いと言う訳でもないので、 103系の普通列車でも10分足らずで越えてしまうほどの小さな峡谷です。



関西本線、王寺〜高井田の略図です。略図でご覧いただいてもお分かりかと思いますが、
わずか5キロくらいの峡谷の区間を、関西本線の線路は大和川を5回も渡っています。
特に三郷〜河内堅上間を見てみると、渡る必要がない様にも思えてしまうのですが・・・
それでは高井田側から順に進んでみましょう。



略図@ 大和川第6橋梁



高井田駅を出た列車は、
上り線と下り線が少しはなれて
大和川を渡り、
トンネルに入ります。
上り側トンネルのすぐ隣に
昔使っていたトンネルが
残っています。



略図A 大和川第5橋梁



トンネルを出るとすぐに大和川第5橋梁を渡ります。
鉄橋を渡るとすぐにカーブ、しばらくすると、河内堅上駅。
河内堅上駅は桜で有名です。




略図B 大和川第4橋梁



河内堅上を過ぎると線路は大きくカーブ。 「亀の瀬」地区を避けるように大和川を渡ります。ここから次の鉄橋の先付近までが昭和の初め頃、大規模に路線変更された場所。 それまでは川の北側を通っていました(略図の点線部分)。下の写真は亀の瀬に通じる橋から撮影。



この亀の瀬地区、日本でも有数の地すべり地帯として知られています。
調べてみると、明治36年・昭和6〜7年・昭和42年と大規模な地すべりが発生。
昭和初めの地すべりでは川の北側を通っていた関西本線のトンネルが日に日に崩壊、
同じ場所で復旧させても再び地すべりで崩壊してしまう恐れがあるため、
川の南側に迂回させる形で線路を建設した経緯があります。



川の北側では「亀の瀬地すべり対策工事」が行われています。もし再び地すべりが起これば、
滑った勢いで対岸の道路、鉄道の地盤が隆起、大阪〜奈良の交通が寸断されるだけでなく、
滑った土砂が大和川をせき止め、奈良県側の王寺の街が自然ダムの状態になってしまい、
さらにせき止められた土砂が決壊すれば一気に大阪平野に流れ出し、水害の恐れがある為
で、国の直轄事業として、昭和37年から開始され、現在もなお工事が続いています。


工事の内容としては、亀の瀬地区の地下に溜まった地下水をすばやく抜き取る配水管
の設置、地下約60メートルにある「すべり面」から上部が滑らないように、約100メー
トルほどの杭を42本設置する工事をしています。一本の杭で6000トンを支える事が
出来るそうで、それでこの地帯を支えるそうです。杭一本設置するのに3〜4年かかる
らしく、私達が生きているうちには終わりそうにない、世界的に見ても類を見ない工事
だそうです。



略図C 大和川第3橋梁



大和川の南側を通ってきた線路は
もう一度大和川を渡り、
三郷駅に向かいます。 峡谷を越え、
周りに住宅も増えてきます。
左右でトラスの形が違う
珍しい鉄橋です。



略図D 大和川第2橋梁



三郷を越えると
大和川第2橋梁を渡り、王寺駅へ。
先ほどまでの鉄橋の景色とは
全く違う雰囲気です。


今回は自宅から自転車で約1時間(爆)
ヘトヘトの1日でした。
でも意外な渓谷美に満足、
沿線をじっくり観察でき
発見の一日でした。



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