−1987年3月20日−

午後8時、私達「鉄研チーム」は天王寺駅で並んでいました。翌日の午前10時より
発売される「謝恩フリーきっぷ」を買うためです。「みどりの窓口」のちょうど裏側、
タクシー乗り場の辺りに並ばされました。私達は徹夜を覚悟していました。

「謝恩フリーきっぷ」が発売されるのを知ったのは、その月の時刻表です。全国で限定
10万枚、その10万枚を主要駅で割り当てるという事で、私達がいる天王寺駅の割り当ては
2400枚。始発で行っても売り切れは必至、という事で前日から戦いに備える事に・・・。
それにしても到着した時すでにあれだけの人数が並んでいるとは・・。500人はいました。

それもそのはず、この「きっぷ」にはそれだけ魅力がありました。価格は6,000円で、
1987年3月31日限りですが、国鉄全線の乗車券と、自由席特急券がプラスされた
ものでした。つまり、3月31日限りならどこでも行ける「きっぷ」なのです。
こんなすばらしい「きっぷ」をだまって見過ごすわけにはいきません。なんとしても
手にいれなければなりません。私達は新聞紙を敷いて座り込みます・・・。

天王寺駅で徹夜の様子
天王寺駅で並んでいる様子をキツネくん(キャシャ−ンさん)が撮影していました。
(キャシャーンさん撮影)


しばらくして、イヌ君が、無事に買えるかどうか、先頭までの人数を数えに行きます。
イヌ君が戻ってきました。なんとか買えそうな人数でした。私達は一安心し、「大富豪」を
始めました・・・。「大富豪」に熱中した後は、みんなで『金曜チェック』です。当時、テレビ
朝日の「ニュースステーション」で、毎週金曜日になると、心理テストの様なコーナー、「金曜
チェック」なるものが流行っていました。私達は徹夜に備え、チューナー付きのヘッドホンステレオ
を持っていたので、早速『金曜チェック』スタートです。全員、一言もしゃべらす、指を一本ずつ
のばしていく光景は、傍からみれば異様な光景に映っていたでしょう・・・。

−1987年3月21日−

午前0時を過ぎました。ようやく、職員の人が整理券を配り始めました。緊張の一瞬です。
順番にこちらへ近づいてきます。早く来い!早く来い!と心が叫んでいます。そして、ついにーッ
整理券の番号は、410番だったか、560番だったか忘れましたが、天王寺で2400枚、
1人2枚まで購入出来るとしても、これで私達は購入出来る事が決定しました。
寒い夜の天王寺に全員でガッツポーズです。
それにしてももう少し早く配ってくれたら良かったのに。終電がなくなっていました。あと15分
早ければ、徹夜をする必要がなかったのです。次の日ゆっくり買いに来る事ができたのに・・・。
でも、買える事がわかったので良しとしましょう。喜びの「大富豪」の再開です。

何回「大貧民」になったかわかりません・・・。

空が薄明を開始し始めました。私達と同じく、帰れなかった人達はずっといました。

天王寺駅の朝
午前5時頃の天王寺駅。帰らなかった人がこんなにたくさん残っていました。
(キャシャーンさん撮影)


午前10時。「みどりの窓口」で全員無事に買う事ができました。



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