幻の木沢村ドライブ
後藤 一路      

徳島県那賀郡木沢村は、あまり誰も「清流」などと騒ぎませんが、本当の清流が流れる村です。時は5月、新緑の美しい季節ですから、最高の条件が揃っていると思って、ミニ同窓会のドライブコースに選びました。

私の家から約70km、四季美谷温泉まで行くつもりで計画しました。しかし、当日になって、時間の都合を考えて、国道55号を南に下る時間の確実なコースに変更したため、「幻の木沢村」になってしまいました。

今回の投稿では、幻のドライブを写真でご紹介したいと思います。

那賀川は、吉野川に次ぐ徳島県第二の河川で、源泉を剣山麓に発し、紀伊水道に注ぐ全長125.2kmの1級河川です。今回訪れる木沢村は、この那賀川の一番大きな支流「坂州木頭川」の渓谷に出来た村で、平地はほとんど無く、渓谷の風景が美しいところです。

郷土文化資料という点では、坂州の農村舞台と言われる人形芝居や歌舞伎を演じるための独特の舞台の仕掛けを持つ演劇施設があり、寛政3年(1791)以来の歴史のある地方文化の伝承が伝わるところでもあります。

しかし、今回は、新緑を訪ねると言うことに主眼をおいて、ドライブすることにします。

スタートは、羽ノ浦町の農業用水取水口です。流れをせき止めているコンクリート製の堰は、このあたりでの川幅いっぱいに設置されており、350mくらいあります。
羽ノ浦町農業用水取水口
(1) 羽ノ浦堰
川口ダム
(2) 川口ダム
長安口ダム
(3) 長安口ダム
那賀川中流域は、地学的には、穿入蛇行が発達し、ダムの建設に適しているため既に3つのダムがあり、更に上流に計画されたダムを巡り地元と建設省が対立して、とうとう沙汰止みになったものもあります。写真(2)と(3)は、川下から二つのダムで、今回のドライブのルート沿いにあります。
板州木頭川渓谷(R193)






出合と言うところから、那賀川本流から分かれて、坂州木頭川を遡っていきます。渓谷が道路のすぐ下になります。


名前もない滝が道路沿いにいくつもあります。この滝も、名前はありません。


かしゅう谷の名もない滝のひとつ
(4) 坂州木頭川渓谷 (5) かしゅう谷の滝
谷は深く、両岸の緑は、写真よりずっときれいです。 沢谷1 沢谷2
(6) 沢谷1 (7) 沢谷2
川の水は底の小石まできれいに見えます。少し深いところは、川の淵というのは、こう言う所だ・・・と言う見本のようなものです。
きれいな水
(8) きれいな水
深い淵
(9) 深い淵
小山ほどの岩
(10) 小山ほどの岩
岩がごろごろ
(11) こちらも岩がごろごろ
木沢のあたりは、元は海の底だった所で、至る所からアンモナイトの化石が出ますし、岩も石灰岩と、水成岩がおおかたです。
狭い河床には、小山ほどもある大岩がごろごろと転がっていて、ちょっと壮観です。



四季美谷
(12) 四季美谷温泉




今回の目的地「新居田の滝」の対岸に出来た四季美谷温泉と、渓谷の景色です。
あめごもいる
(13) 新居田の滝


新居田の滝は、20mまっすぐ落ちる滝で、きれいにU型にえぐられた岩の水路から落下してくる水は、それなりに美しいものです。滝壺は澄み切っていて、あめごなどの魚影を見るときもあります。
しかし、ここにご案内したのは、他に理由があります。

新居田の滝の前を2車線の大きな橋が谷をまたいでいます。そして、橋の上流側に、滝を観光するためのテラスがあります。テラスには、ベンチまで取り付けられています。夏になれば、木陰で、滝の音と、しぶきを浴びて、涼しさを満喫できるテラスです。橋はかなり深い谷にかかっていて、下を見ると高い所に架かっていることが分かります。
新居田橋
(14)新居田橋
元新居田橋
(15) テラス
深い渓谷を見下ろす
(16) 谷の深さを実感

このテラス、元は唯一の新居田川にかかる橋だったのです。そして、昭和57年秋までは、橋の幅も3メートルあまりしかありませんでした。橋の両端の取り付き道路は、急カーブしていて、トラックが通るのに苦労をしていました。そこで、幅を7mに拡幅する工事が始まり、橋桁をはっきり覚えていませんが、たしか11本を、従来の橋に増設する形で架けて、車の通行が楽に出来るようになったのです。

時は移り、道路も改良され、大きな橋が架かり、もう少し上流に小さな風呂の設備だけがあった町営の温泉も、第3セクターの四季美谷温泉となって、今では、週末や休日には結構沢山の人が訪れています。

ちょうど20年前の小さな橋梁工事が、今も懐かしく思い出されるので、これも懐かしい思い出を語り合うために集まる同窓会の皆さんを無理矢理つきあわせようとしたのです。誠に手前勝手なことでして、謝ります。
スミマセンでした!!! <m(_|_)m>



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